[本棚]――[書評]――[第八回]――[『すぐわかる作家別ルネサンスの美術』]

すぐわかる作家別ルネサンスの美術の画像
すぐわかる作家別ルネサンスの美術
塚本 博

ルネサンスの美術を作家別という範疇で紹介しております。
更に時代・地方別に分けてますので、簡単な流れを知るには良い本かと思います。


初期ルネサンス、盛期ルネサンス、北方ルネサンスマニエリスムについて紹介してあります。
個人的にはマニエリスムの時期の作品に目を惹かれるものが多くあったのですが……変ですかね(ぉ。
パルミジャニーノの『凸面鏡の自画像』とか、歪められた自画像を描くことに何か意味があるのかと考えさせられてしまいますが。
名前を失念してしまいましたが、魚の複合体で人間を表している画とか本当に天才を窺わせられます。


にしても、同じ題材を扱っているのに、人によってだいぶ違うというのは面白いですね。
例えば『ダヴィデ』といえば、ドナテッロとミケランジェロが手がけてますが、この書籍を見るまで同一題材だと気づきませんでした。
自分としては、ドナテッロの方が好みですね……カッコイイじゃないですか(笑。
一方、ミケランジェロの方は市民の防衛意識を高めるための構成とありましたが……
他には、当然でしょうが、聖母の題材が多いですね。


後、モナリザの絵がこの世に誕生したことによって、斜め前から描かれた構図が流行ったという事実は面白かったですね。
それまでは美しい女性というのは横顔で描かれるのが普通だったそうです。
『ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像』とかはまさにそうではないのでしょうか……
と申し上げようと思ったら、微妙に横顔からではない方もあるそうですねorz



もっと、深く学んでみたいところですが……(´・ω・)