[本棚]――[書籍]――[第42回]――[「人間らしさ」の構造]

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人間らしさの構造
渡部 昇一


著者が性善説で根本的に自分の考えとは相違はあるものの、非常に納得させられる作品です。


それにまだ今ほど男女平等参画社会が謳われていなかった時代である筈なのに、著者の見識は素晴らしいと脱帽せざるを得ません。
著者はその当時の社会進出に躍起になる女性をちょっとおかしいと同時に可哀想だとも称しておられます。
理由の幾つかに、出産して子育てをすることが女性の機能快であり、また(名前を失念してしまいましたが)ある学者に拠る女性は2人以上子供を産まないと本当に女性とならないという説等等を挙げられております。
自分も大方著者の意見に賛同致します。


何度か自分も愚見として述べさせて頂きましたが、著者の仰るように、父母、敷衍しては祖先までの感謝の念が戦後の人間には不足しているのでしょう。
恩を真個に感じている人ならば、自然に自己を磨き社会に何らか貢献したいと思う筈です。
ここら辺が、指摘なさっていたように戦後の人間には欠けているのでしょうね。
まるで始めから自分が自分自身を作り上げてきたように錯覚してる気がします。
いや、無論、自分もそう錯覚している、というよりも、本当はそうであるように信じていたい側の人間なのですが……
(´-`).。oO(……そういう訳で、最近、黒夢の一部の詩には賛同出来かねますね(何)
そのような観点からすれば、歴史勉強というのは非常に有益であるように思えます。
我々の祖先が如何にしてこの国を作り上げてきたかの一部を知れる譯ですから。
自分も今まで蔑ろにしてきた先人達の偉業に対する感謝の念を取り戻して生きたいです……orz
……そして、鑑三先生が仰る「後世への最大遺物」とは恐らくこういうことなのでしょう(´∀`)


著者によれば、勉強が出来ない小学生・中学生は、親に対する感謝の情が足りない――自身がそもそも親から作られた身であることを自覚してないのが原因だそうで……
実際に、肩もみなど親に対する孝行をすることで、80%は改善出来たという例もあるそうなので、なかなか興味深いところです。

そういう訳で、離婚や虐待などは子供を形成する過程において問題外であると仰ってますが……
よく考えれば、自分は幼少期におけるDVやそれの圧迫による母からの虐待、及びに十代における親の離婚の経験ということで見事に成長を妨げられる過程にあったものだな、とつくづく思います(´Д`;)
……いや、別に今こういう状況の言い訳ではないですよ(ぉ?
無論、今は完全に独立できてますし、こんな年齢にもなって過去のこと引き摺って何もしない人間の方がどうにかしてます。
ただ、過去の記憶に照らし合わせれば、父を尊敬しているかと言われれば無論「No」で、寧ろ殺s(ry
(´-`).。oO(……半分冗談ですよ)
しかしながら、それが自分の幼少期から欠けていたものだ、とこの本と読み快哉致しました。
親は選べません――どんな親であろうと、自分をこの世に存在たらしめたことには感謝の念を抱きたいです。
……と、この手の話をすると、どう真面目に書いても「不幸自慢乙」という話になってますね……すみません(´・ω・)




他にも、こんな感じでマズロー自己実現とか小恍惚とかいう単語が出てくる書物でありました。
(というよりも、自分の感想文はあまり核心に触れてないです……)
比較的お奨めな本かもしれません。