[本棚]――[書籍]――[第86回]――[山椒大夫・高瀬舟]




文庫: 376ページ

出版社: 新潮社; 改版版 (1968/05)

ISBN-10: 4101020051

ISBN-13: 978-4101020051

発売日: 1968/05




高瀬舟』などは安楽死を提起した問題として有名ですね、倫理の教科書とかに載ってたような気がします。

また『護持院原の敵討』などはセンターの国語として出題されたことでも有名ではないかと思います。




ともかく作品別に見せる色が違い、本書だけでも非常に多彩です。

お医者様であるので非常に専門学的知識に突っ込んだ内容や、また、ドイツ語やフランス語も日本語の文章に織り込んだ作品があり……

それだけに留まらず、完全に古文調で書かれた作品まであります。

俄かに、同一人物が書いたとは信じがたいです。

この辺りで、まず、差を感じざるを得ません。


『妄想』あたりが天才と狂気の狭間という印象を受けますね。

自身の世界を完全に確立しているというか……

書かれている内容よりも文章そのものに圧倒される印象を受けるのはなかなかありません。

自分が至高と思うところの文章に近い感じです。




必ずしも万人に理解出来る訳でもない孤高な文章を書きたいものです……(´・ω・)