[本棚]――[書籍]――[第87回]――[ロミオとジューリエット]




文庫: 272ページ

出版社: 岩波書店 (1988/02)

ISBN-10: 4003220560

ISBN-13: 978-4003220566

発売日: 1988/02




海外の作品の名作中の名作といえる作品でしょうか。

尤も、元々劇を目的としているから、科白ばかりに終始した本となっていることが残念……

というよりも、本来は劇で見るべきものなのでしょうね。




仮死状態になった後に特定時間経過後にピッタリ起きれるというジュリエットが飲んだ薬がいったい何なのかお薬関係の学部生としては気になるところですが……(笑。

それは置いておいて、良くも悪くも古典の名作という印象を受けました。

当時の時代背景からすればこのような作品が生まれるのは確かに凄いとは思いますが、現代においてはさほど目新しくも無いと思われます。

下手すれば、余りにも出来すぎてるので「ケータイ小説(笑)」と評されそうな内容な気がしないでもないです。

古典という単語に踊らされて、勝手に神格化するのは余りよろしくは無いと思います……源氏物語とか。

要は、期待しすぎるとダメだということでしょうね、期待外れの時の反動が大きいですから。




真の恋愛小説は、かの有名な方が仰っていたように、身分違いの恋愛でしか存在しないのでしょうね。

その点では、今作はそうであったし、その結末も二人ともすれ違ったまま自らの命を絶つという悲惨なものでした。

身分の制約がない恋愛小説に本当の面白さなど存在しないのかも知れません。




意外だったのはジュリエットが14歳だったという事実です。

今の時代だとロミオはロリコンということで各方面から叩かれてしまいます(´・ω・)


「どうしてあなたはロミオなの?」という有名な科白がどういったシチュエーションで使われたか知っただけでも少し教養が増した、と思えば読んだ意義があるのかもしれません。