[本棚]――[書籍]――[第20回]――[人はなんで生きるか/他四篇]

正直に言います、久々に小説で涙してしまいました……
『人はなんで生きるか』と『愛のあるところに神あり』で泣いてしまいましたよ(;つД`)
恐らく、正確に言えば、小説というよりは説話文學なのでしょうけれども。


解説に據れば、後期トルストイ
「藝術は人生のために何らかの効益に寄與するものでなければならぬ」
という考えのもと、全世界に共通するように文章を平易に、同時に美や享樂に立脚するものではなく宗教的感情を盛り込んだそうですね。
確かに、トルストイの作品を全て知っている譯ではありませんが、この本に收録されているものに関しては平易で分かりやすかったように見受けられます。
平易で簡潔に要點を纏められているという側面で漢文と似通っているようにも思えました(無論、平易でない漢文もあるのでしょうが……)。
更に言えば、矢張り、何らかの効益に寄與するものという點が効いているように思えました。
とても強い考えですよね。
再び、謗りを恐れずに申し上げますが、文學の終着點はそこにあるのではないかと思うのです。
そうといっても矢張り、自分は一貫性がない讀書をしていますけどね……。
しかしながら、自分は退廢的・享樂的なものを好んでいるのも確かですが、同時に人生に何らか寄與するものこそが最高の作品ではないかと思っているのは變わりません。
どういう作品によって薫陶されていくかは人によりけりではございましょうが。
實用書にせよ、教養書にせよ、娯樂書にせよ……


キリスト教徒ではないですが、この小説を讀了し終えてからなんとなく神を信じてみたくなってしまうのが不思議です(何。
『二老人』なんか良いですよね。
暗に、いくら形式的に取り繕っても内面の如何が問題であると、提起されてますし……
ともあれ、なかなか實行は容易ではないでしょうが(特に自分のような人間には)、人を愛し助けるというのは非常に尊い行為だと思えました。
自分ももっと素直になれれば良いのですが……そればかりが悔やまれますorz





最近、アタリ(自分の問題對象としている範疇に適っているいるもの)のをひくことが多いように思えます(何。

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