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タテ社会の人間関係―単一社会の理論
中根 千枝




現在時折に使用されてる「タテ社会」という用語を作ったらしい書籍です。
(本書の追記に、「タテ社会」という言葉が広がったが誤用が多い、と嘆かれている記述がありましたのでそう推測致しました)
内容はというと、誠に面白うございました。
日本人社会と著者が専攻・経験したインド等の社会とを上手く対比しており、分かり易いです。


日本人がある程度の信頼関係を結ぶ上に重要なのは、
「如何に長くの時間を供に過ごすか」
のみならず
「如何に長くその関係を持続できるか」
だそうです。
日本人の心理は、他の社会とは異なって(他の社会に必ずしも後者はないそうです)、非常に「去るものは日々に疎し」というものが強く働くそうです。
離れていってしまえばどれだけ親しかったとしても、元の関係にほぼ復旧するのは不可能としています。
確かに、自分個人のことにも恐ろしい程に剴切しているように思います。
親しかったと呼べるような方で現在音信不通な方々よりも、彼らほど親しくはなかったのに定期的に交信を取れている方々の方が、今となっては親しく思えるから不思議なものです。
そしてもう前者のような方々と以前のような仲を復旧するのは不可能なのでしょう……心底、昔のように仲良くしたいものですが(;つД`)
本書にも触れていたように、水盃を交わせば良かったかもしれませんね(´・ω・)
本書に拠れば、ご無沙汰という単語が失礼に当たるのも、相手を裏切ることにも繋がるからだそうです。
こういう心理が働く人が多数だと、ある一つの集団に属さねばならず、必然と一箇所に序列を作らねばいけないのでしょうね。


他にも、リーダーというのは能力よりも部下を纏められる方が重視される、とかありましたが、面白かったですね。
その根拠の一つとして、變に能力があるリーダーは部下からの要求を呑んでくれないから、だそうです。
自分が一番嫌いな尸位素餐タイプの人間が世に多いのはこういう所以なのでしょうね……
個人的には、少なくとも本書にあるようにリーダーの魅力だけではその人についていこうという気にはなれませんけどね、実力も相応にある方でないと。


……尽言能はず、というのは当然ですが、毎度の稚拙な感想でしたorz
(´-`).。oO(正直、実際に本書を手にして頂かないと、自分の愚見など全くアテにならないかと……)

ところで、中根千枝氏って有名でしたよね?
何処かで絶対名前を拝聴した覚えがあるのですが……思い出せませんorz