[本棚]――[書籍]――[第61回]――[いかに生きるか]


新書: 204ページ

出版社: 講談社 (1976/09)

ISBN-10: 4061158457

ISBN-13: 978-4061158450




可也古い本ですね。


自分がキリスト教を好かないので、キリスト教を根本におく部分に関しては賛同できません(とはいってもICUでの講演を書き起こしたものだから当たり前です)。

が、矢張り戦時を生きられた方は強いと素直に思います。

自分なんて……戦時中に死ぬか、生き延びても発狂しているでしょう。


敗戦が意味するものとは、明治期以来続いてきた日本の進む方向が誤っていたということ、ということに成程と思わされてしまいました。

筆者は戦後は新しいものを創ろうと敗戦したにもかかわらず希望に満ち溢れていた日本人が、たったの30年余りで(書かれたのは70年代)で大きく変わってしまったと書かれておられます。

欲しいものは何でも手に入ることからくる倦怠感、自分さえ良ければ良いと言うエゴイズム……そのようなことを指摘したとおられますが、ならばもう30年経た今はいったいどうなのでしょうね。

個人的には、30年前以上に上記のような傾向が強くなってるのではないかと思います。

ここで筆者は、日本人は相手を二人称ではなく三人称として捉えるべきで、それにキリスト教が(とここらでキリスト教が出てくる流れがイマイチ理解できなかったんですが)……と唱えておられます。


個人的には、教育が一番なのは間違いないと思いますが……

たまに申し上げることですが、個性が度を越えて跋扈しているように思います。

自分も含めて意味のある個性がある方はいらっしゃるのでしょうか。

少なくとも自分にとってはほんの一握りだけのように思います。

尤も、こう申し上げるのは個性よりも全体の調和を説いているようにも取れるので、筆者が仰るところに反する訳ですが。




……まあ、ネガティブな影響を周囲に与えまくる個性を持っているくらいならば、明るく受け答えできるような機械になりたいものですという感想でした(ぇ。

何でだろう……数年前まで全く逆の考え方だったんですが、矢張り今はそうとしか思えません(汗。

年を取ったということでしょうか(´;ω;`)