「Perinatal antidepressant exposure alters cortical network function in rodents.」
抗うつ薬セロトニンシタロプラム自閉症スペクトラム




自閉症スペクトラム障害ASD

・広汎性発達障害のうち、高機能自閉症症、アスペルガー症候群などが、自閉を核に連続的なものであるという概念。
・社会性、コミュニケーション、想像力障害がある
・1990年代から提唱された考え方。



セロトニンは出生初期の脳の発達において重要な役割を果たし、この時期にセロトニンレベルが変化すると神経細胞や行動に永続的に影響を与える。
シタロプラム (SSRI:日本では発売されていない) を用いることで、「セロトニンの恒常性は適切な脳の成熟に必要である」こと、及び「胎児や幼児へのSSRIの曝露はヒト、特に自閉症などの発達障害で検討されるべきである」ことが分かった。




<流れ>
・新生児ラットにシタロプラムを投与するとオスラットが新規環境を嫌がるようなASDとよく似た行動を示した。
シタロプラムの投与により、海馬・内側前頭前野、体性知覚皮質においてセロトニントランスポーターの携帯に異常が見られた。
・出生前より出生後にシタロプラムを曝露すると、メスに比べオスのほうがより脳梁軸索のミエリン形成が変化し、オリゴデンドロサイトの細胞体形成が阻害されるため、異常な脳梁軸索がみられる。
(・高用量のセロトニンで変化、細胞死にいたる。)
シタロプラム投与によりバレル皮質のII・III層で脳梁細胞は有意に減少するが、V・VIではあまり現象が見られなかった。
シタロプラム投与により、聴覚皮質での組織特有の周波数がゆがんだことから皮質内ニューロン機構に異常が生じたことがわかった。








「Chronic inhibition of endoplasmic reticulum stress and inflammation prevents ischemia-induced vascular pathology in type II diabetic mice.」
糖尿病、ERストレス、db-/db-マウス、tauroursodeoxycholic acid(TUDCA)、Anakinra、虚血、下肢動脈閉塞(脱疸)


糖尿病による血管病変に下肢動脈閉塞(脱疸)があり、重症化すると稀だが切断する必要もある。


db-/db-マウス
ヒトの肥満型糖尿病に類似した症状を発現する突然変異系のインスリン非依存型(II型)糖尿病モデル。

tauroursodeoxycholic acid : TUDCA
カルシウムを介したCaspase12の活性化抑制作用を示すERストレス阻害剤

Anakinra
IL-1の生物活性を阻害し、敗血症ショック、リウマチ様間接炎、移植片対宿主病、発作及び心臓虚血の動物モデルにおいて有効。日本では発売されていない。


ERストレスと炎症はII型糖尿病において虚血で誘発される血管病態予防のための新規治療ターゲットとなる可能性がある。



<流れ>
高血糖、肥満、インシュリン抵抗性はERストレスに関係している。
・ERストレス、または、炎症抑制剤でも、ERストレスも炎症マーカーも減少が認められた。
・虚血状態において、ERストレスと炎症が血流回復を妨げる要因となる。これらの抑制が血流を早めることに繋がる。
・db-/db-マウスでは、結紮部以外からの血流が弱く、右足に血液が十分通っていない。
・ERストレスと炎症の抑制が、血管内皮細胞接着因子の減少を防ぐ。
・ERストレスと炎症の抑制は、虚血における血管新生関連因子の発現上昇、平滑筋の弛緩、およびERK/MARK1経路の縮小を促す。