[本棚]――[書籍]――[第45回]――[夏と花火と私の死体(夏と花火と私の死体)]


夏と花火と私の死体の画像
夏と花火と私の死体
乙一




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ということで、別のジャンルの本にもチャレンジしてみました。
乙一氏のデビュー作品です。
この手のジャンルを讀んだ冊数からして門外漢ではありますが、矢張り見所というか、並以上のものを感じさせられますね。
これが17歳の作品とは思えませんが……

一貫して、一風変わった、面白い書き方をしているように思われました。
主人公の女の子がいきなり殺されてしまい、それを隠蔽しようとする兄妹を動向を追い、更には完全に主人公の死者の視点から、ですからね。
最後に隣県での少年誘拐の事件という伏線を上手く回収しているのも、見事だと思いました。
……ジョジョでもきちんと伏線を回収してもらいたいものです(謎。
(´-`).。oO(例えば、第四部の透明の赤ちゃん、とかいったい何だったのでしょうね(ぉ?)

何度も主人公の死体を隠そうとする場面が見つかりそうになる場面が多く、くどすぎだとは思いましたが……
こういう場面がかえって焦燥感を駆り立てて続きを讀ませようとするのでしょうね。
勉強になりました。

確かに何個かツッコミどころはあったように思います。
が、それを差し引きしても、面白い、といえるように感じます。