有機化学3
10
シクロヘキセンにm-クロロ過安息香酸を反応させたときの生成物に、さらに酸触媒による加水分解反応を行ったときの生成物はラセミ体である
正。
初めの反応でエポキシドが、次の反応でtrans-1,2-diolができる。
水は炭素-酸素結合の反対側から反応するため、transになる。
「m-クロロ『過』安息香酸」という見慣れないものがあると要注意。
11
等モルの1,3-butadieneと臭化水素の反応により得られる生成物のうち、1,4-付加体は1,2-付加体より熱力学的に安定である。
正。
1,2-付加体は速度論的支配である。
・中間体が共鳴する
・1,4-付加体は二重結合が2-3に、1,2-付加体は二重結合が3-4に存在する
・アルケンは多置換体の方が安定である
という3つの知識が必要。
12
maleic acidを四酸化オスミウムで酸化すると、meso-tartaric acidが生成する。
正。
・四酸化オスミウムによって「OH」がシン付加される
と知っていれば解ける筈。
13
1,3-ブタジエンとアクリル酸メチルのDiels-Alder反応の遷移状態において、1,3-ブタジエンはs-シス配座をとる。
正。
よく分からないが、環状になるためには、やはり同じ向きであるcis体である必要があるか。
14
1,3-シクロペンタジエンに重水素化された臭化水素(DBr)1molを反応させると、1,2付加体と1,4付加体が生成する。
正。
決して、DとBrの付加の位置が入れ替わるだけではないので注意。
15(覚)
Diels-Alder反応では加熱により進行し、速度論的支配に従うエンド付加体が主生物となる。