衛生化学

【消化と吸収】

α-アミラーゼはデンプンのα (1→4) 結合を加水分解する酵素であるので、デンプンを分解するとα (1→6) 結合を残した限界デキストリンが生じる。


ジペプチド・トリペプチドはH+との共輸送により小腸上皮細胞に取り込まれる。アミノ酸はNa+との共輸送により小腸上皮細胞に取り込まれる。


中鎖脂肪酸 (炭素数10以下) を主に含むTGはグリセロールと脂肪酸に分解されると、そのまま門脈血中に移行する。
長鎖脂肪酸 (炭素数12以下) を主に含むTGは膵リパーゼにより2-モノアシルグリセロールと脂肪酸に分解されるが、これらは胆汁酸を主成分とするミセルに取り込まれ、小腸上皮細胞に吸収され、TGに再合成される。



トリプシンはアルギニン・リシンなどの塩基性アミノ酸のカルボキシ基のペプチドを切断するエンド型酵素である。カルボキシペプチダーゼはエキソ型酵素である。




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【腐敗】


トリプトファンの分解により、糞便臭の原因であるスカトールが生じる。
一方、低濃度では花の香りを呈し、実際にオレンジ、ジャスミンやある種のトロピカルフルーツの花の香気成分に含まれている。またこの物質は、多くの香水の香料、タバコの香料及び添加物として使われている。



システインなどの含流アミノ酸の分解により、硫黄臭の原因となるメルカプタン (チオアルコール) や硫化水素を生じる。
また生化学実験で用いられる2-メルカプトエタノール (チオグリコール) はCys-Cysなどのジスルフィド結合を切断に用いられる。


カダヘリンはリシンの、アグマチンはアルギニンの脱炭酸反応で生じる。



魚類のトリメチルアミンオキシドは細菌の還元酵素により腐敗臭の原因のトリメチルアミンになるので、定量により腐敗の程度を知る指標となる。




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