衛生化学


メイラード反応とは還元糖が遊離アミノ酸やタンパク質中のアミノ基と反応して、褐色のメイラジン色素が生成する。非酵素的な脱水縮合によるシッフ塩基の形成により始まる。ご飯やパンのコゲなど。


葉緑素の分解性生物であるフェオホルビド(クロロフィル - フィトール基 - マグネシウム = フェオホルビド)は、光過敏性皮膚炎の原因となり、健康食品のクロレラ錠に多く含まれる。光増感作用により酸素を一重項酸素に変換することによる。


亜硝酸塩は食品添加物(発色効果もある)としてソーセージなどに含まれている。海産物や魚卵に多く含まれる第二級アミンが酸性条件下 (胃内) で反応して、発がん性物質であるニトロソアミンを生成する。



(90回 66)




青酸配糖体として、青梅やアンズの種子にアミグダリン、五色豆にフォゼオルナチンが含まれている。β-グルコシダーゼにより加水分解されて、シアン化合物イオンが毒性を示す。


フグなどに含まれるテトロドトキシンは加熱調理で分解されない。Na+の細胞流入を選択的に遮断し、運動神経や筋接合部で興奮性細胞膜の活動繊維の発生を抑制し、コリン作動性神経線維終末からアセチルコリンの遊離を抑制する。重篤の場合呼吸麻痺により死亡する。


サキシトキシンプランクトンが産生し、二枚貝に捕食されて蓄積する。選択的にNa+チャネルを抑制するため、フグ毒と症状が類似する。


ワラビに含まれる発がん性のプタキロシドは水溶性なのでアク抜きによって容易に除去できる。1960年代に全国の新しく造成された牧野で牛の急性ワラビ中毒の発生が問題になった。アグリコンは強力なアルキル化剤である。



(90回 69)