衛生化学


【食中毒】


青酸配糖体として、青梅やアンズの種子にアミグダリン、五色豆にフォゼオルナチンが含まれている。β-グルコシダーゼにより加水分解されて、シアン化合物イオンが毒性を示す。


フグなどに含まれるテトロドトキシンは加熱調理で分解されない。生体濃縮によりフグ内に蓄積される。Na+の細胞流入を選択的に遮断し、運動神経や筋接合部で興奮性細胞膜の活動繊維の発生を抑制し、コリン作動性神経線維終末からアセチルコリンの遊離を抑制する。重篤の場合呼吸麻痺により死亡する。


サキシトキシンプランクトンが産生し、二枚貝に捕食されて蓄積する。選択的にNa+チャネルを抑制するため、フグ毒と症状が類似する。


ワラビに含まれる発がん性のプタキロシドは水溶性なのでアク抜きによって容易に除去できる。1960年代に全国の新しく造成された牧野で牛の急性ワラビ中毒の発生が問題になった。アグリコンは強力なアルキル化剤である。


ソラニンはじゃがいもの発芽部位に含まれるステロイドアルカロイド。コリンエステラー是阻害作用を有する溶血性の神経毒である。


ムスカリンはベニテングダケに含まれており、副交感神経の興奮により発汗や縮瞳を起こす。
タマゴテングダケにはファロトキシンやアマトキシンが含まれており、激しい嘔吐・下痢などのコレラ様症状を起こす。


(90回 69)(92回 71)


【人口統計】


生産年齢人口は15-65で、それ未満が年少人口、それ以上が老年人口。

年少人口指数:年少人口÷生産年齢人口×100
老年人口指数:老年人口÷生産年齢人口×100
従属人口指数:(年少人口+老年人口指数)÷生産年齢人口×100
老年化指数:老年人口÷年少人口×100

現在の日本は老年化指数は100を越えているが、老年人口指数は100は越えていない。


人口増減の境界は合計特殊出生率(粗再生産率)が2.08である。


(92回 73)




【インフルエンザ】


A型インフルエンザはHA抗原(ヘマグルチニン、16種)、NA抗原(ノイラミニダーゼ、9種)の組み合わせてで144種の亜型が存在することになる。

20世紀初頭流行ったスペインかぜはH1N1、1957-に流行ったアジアかぜはH2N2、1967-に流行った香港かぜがH3N2、1977-に流行ったソ連かぜがH1N1である。


香港かぜは1957年のアジアかぜとの原因となったH2N2と同じノイラミニダーゼを持っていたので、結果として他のパンデミックに比べ少ない感染者ですんだともいわれるが、交差免疫についてはよく分かっていない。
ソ連かぜは研究所に保存されていたウイルスが何らかの理由で流出したことが原因といわれている。


(92回 79)